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今シーズンはショーを取りやめ、展示会のみで新作を披露した松本 与さん。かなりの決断だったようですが、その結果見えてきたことからお話がスタートしました。
「ショーがあると、どうしてもショーの為に服を作るという感じになってしまって、ランウエイで見せるために見栄えが良いものを考えてしまいがちなんです。そうすると実際に街で着られる服とはちょっとかけ離れたものになりやすいんですね。ショーではそうしないと見ていてもの足りない感じがしてしまう。そういう意味では今回はストリートというか、街で着られる服というのを念頭においてコレクションを作ったので、基本に戻ったと言って良いかもしれません。ショーの為に服作りをしているということではなく、みなさんに着て頂くために作っているわけで、そのあたりをもう一度見つめなおす機会になったので、良かったと思っています」。
次は再度ショーを行うつもりと言いつつ、バイヤーの反応はすごく良かったと結果には満足気です。ただ、一般のユーザーのことを考えると、「普通のお客さんにはショーを見てもらう機会が必要」とも実感したそうです。
というのも、今後印刷物を作成する予定はあるそうですが、それだけではどうしても、訴えきれない所があるのでは? とも危惧していました。
そんな与さんに、自分にとってクリエーションとは何ですか?と質問してみました。



「僕は本当に日々机に向かってデザインを考えている時間が長いですね。クリエーションをすることで自分を鍛えると言ったら変かも知れませんが、考えて物作りに向かっていかないと閃かないんですよ。よく島に行ったり、旅行へ行ったりして、そこからインスピレーションを得る人もいっぱいいるじゃないですか。だけど僕はそういうことは出来なくて、一生けん命考えないと出てこないので、もう単純に良い服を作るために絵を描いて、ある程度アイディアが出てきたら検証して形にして、形にしてみたら自分の頭の中のものと違っていたりするので、またそこを修正していってということの繰り返しですね。僕はだいたい部屋から出ないんです。出るのはジムに行くときくらいですよ」。
ではレディスとメンズ両方のクリエートを続けている与さんにとって、両者の一番の違いというのはどんな所なのでしょう。
「それはレディスは自分が着られないことです。メンズは着た瞬間にポケットの位置から何から、すべて答えが出てしまう。だけどレディスは着ることが出来ないので、例えばプレスの高山とかに良く着てもらうんですけど、"女の子はこういう方が好きですよ"とか言われると、僕あんまり言いようがないんですよね。ですからレディスに関してはすっきりしないというか、どこかもやもやした部分がいつも残っていますね。自分らしく、自分の好きなものを着るのが自然だとは思うんです。ただ、atoの個性というか、根本的な所は大事にしたいですね。100人のうち99人が嫌いだといっても1人が好きだといえばそれはそれで、そういうのが価値だと思うし、個性だと思うので、僕なりの提案だとか、服作りをしたいと思っています」。
個性という観点からいえばatoの服にはパタンナーネームが書いてあります。これは大変稀なことなので、そのことについて伺ってみました。
「そうです。基本的にはぱっと服を見るとデザイナーが一人で作っているようにお客さんは捉えがちじゃないですか。だけどものすごくたくさんの人が関わっていて、販売やプレスも含めて、みんなでの共同作業ですよね?例えば、複数のパタンナー達に同じ絵型を渡しても出てくるものはそれぞれ違うんです。そこがパタンナーの個性だと思うんです。そういう点を生かした物作りをしたいなあと思って。僕はサイコロを振る役目はするけど、目を出すのは皆っていうか」。
なるべく裏方でいたいという与さんはある時期、ほとんど表に出ず、ミステリアスな存在でした。デザインすることは自分自身そのものだったとも述懐します。今後はF1でつちかったテクニックで大衆車を作るような感覚で、新しいブランドを作ってみたいとのこと。夢もあくまでもファッションの範疇にあるようです。

取材・文:大塚 陽子

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